気合が入っていた。移籍２年目の開幕戦。横浜市内の自宅を出発する前、験担ぎでタイを食べた。

　「あまり好きじゃない」と普段は魚を食べる機会は少ないが、この日は特別だった。昨年、８打数無安打に抑え込まれたバリントンだったが「楽しみにしておいて」とニヤリと笑っていた。その言葉通り、最高の結果が飛び出した。

　１年分の悔しさをバットに込めた。昨季は自己ワースト１２本塁打。チャンスで打てない日々が続き、 長男・閏哉（じゅんや）くんが「パパの打席は見ないよ。打たないから」と愚痴をこぼしたという。

　「打率は２割前半でもいい。自分は本塁打打者。今年は村田のスタイルを貫きたい」。 長打を増やすことを目標に掲げ、キャンプからバットを高く掲げる横浜時代のフォームに戻した。

http://hochi.yomiuri.co.jp/giants/news/20130330-OHT1T00054.htm